「耳読では記憶に残らない」「AudibleやKindleでは、検索やメモができない」そんなもどかしさを感じていませんか? 今回は、私が10年以上愛用する耳読神アプリと、AIツールを組み合わせた、読書の概念を覆すワークフローをご紹介します。
私は幼い頃から本好きで、晴れの日も雨の日も、週末は図書館へ通っていたものです。ただ、下手の横好きで文字の目録を追うのが苦手で本は挿絵を眺めるばかり。その代わり、図書館の朗読テープを片っ端から借りて聴き漁っていました。NHKのラジオドラマも毎日欠かさずチェックする、根っからの「耳読(みみどく)」派下手の横好きです。
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「耳で読む」スタイルの進化
コンピューターの読み上げ機能に自然な抑揚がつき始めてからは、読書体験が劇的に変わりました。今では、本はすべてデバイスに読み上げさせて「聴く」スタイルが定着しています。

なぜ「Audible」や「Kindle」では物足りないのか?
既存のプラットフォームは便利ですが、情報の「再利用」には向きません。
- Audible: プロの朗読は心地よいですが、内容の「串刺し検索」ができません。
- Kindle: コピー制限や形式の壁があり、データをAIに渡して深く分析させることが困難です。
私が提唱するのは、「データを自分の手元(PDF)に置き、AIに読み込ませる」スタイルです。
【Step 1】ezPDF Reader で「耳」から流し込む
まずは、本(PDFデータ)をアプリで「聴覚」にインデックスさせます。
- 使用ツール:ezPDF Reader
- ここが「神」: アンドロイドのみですが、この10年これを超えるアプリはいまだを見たことがありません。ブラウザーの読み上げ機能は、読み込みに時間がかかる上に、途中で止めると二度とそのページには戻れません。読み上げに合わせて自動でページめくり、付箋、マーカー、串刺し検索、停止位置の記憶、バックグラウンド再生。これらが普通に使える唯一無二です。
- 実践法: 耳読は記憶に残りにくいので、普段であれば2回聞きますが、今回は1回目は「全体像」を掴むだけでです。
【Step 2】NotebookLM で「読書」を「対話」に変える
最近では、生成AIの登場によって読書の方法がさらに進化しました。
特に外国語の本を読む際、既存の日本語訳がしっくりこないことがあります。翻訳者が意図的に(あるいは日本語にない概念を補うために)複数の言葉で表現している場合、あえてAIに原文を訳させたり、特定の単語を抽出して再翻訳させたりすることで、より著者の意図に近い理解ができるようになりました。
耳で聴き終えたら、そのPDFを NotebookLM(GoogleのAIノート)に投入します。ここからが本当の読書です。
- 串刺し検索の実現: 複数の本を一つのノートに入れれば、「あの本とこの本で共通するテーマ」を横断的に検索・比較できます。
- 原文へのダイブ: 外国語の本などで翻訳がしっくりこない時、AIに原文から意図を抽出させ、自分に最適な言葉で再翻訳させます。
- 自分の言葉で質問: 耳で聴いている最中に浮かんだ「疑問」をすべてAIにぶつけます。
「質問内容が多いほど、記憶に留まっているということ」
AIから別の角度の視点を引き出すことで、バラバラだった記憶が一気に一本の線に繋がります。
思想の異なる書籍を比較、リベートさせたり、同じような内容で立場が違う本を比較。まったく関係なさそうな本を比較するのも面白い視点が出てくることがあります。おれら共通点や相違点を表で抽出し、このような方法は理解が深まるだけでなく、自分の意見が明確になります。
4. 読書は「消費」から「構築」へ
今の私の読書ルーティンは、かつてとは一線を画しています。
まず一度、耳で頭から最後まで読み上げます。その際、頭に浮かんだ疑問点をすべてストックしておきます。読み終わった後にその疑問をAIにぶつけ、本の内容を別の角度から引き出していくのです。
「質問が多いということは、それだけ記憶に留まっているということ」
AIとの対話を通じて多角的に内容を抽出することで、記憶の定着率が格段に上がりました。他の本との比較分析もスムーズに行えるようになり、読書の密度が圧倒的に濃くなったと感じています。
この方法は少し特殊かもしれません。しかし、かつてお酒を飲みながら(近年飲まなくなった)、友人たちと本の内容について夜通し語り合い、理解を深めていたあの豊かな時間。そんな濃密な体験が、今ではAIを相手に、いつでも、何度でも再現できるようになったのです。
今回紹介したツール
- ezPDF Reader:PDF読み上げ・自動ページめくりの決定版。
- NotebookLM:自分専用の資料を学習させ、対話・検索できる最強のAIパートナー。