Google NotebookLM解説! あなたの情報収集と執筆を変えるAIツール

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LM

「NotebookLM」をご存知でしょうか?

これまでのChatGPTのような生成AIは、インターネット上の膨大な学習データをもとにチャット形式で情報を提供してくれるのが基本でした。しかし、これには「マニアックな情報は反映されにくい」「一般的な回答に終始しがち」「フェイクニュースと本物の情報が区別されにくい」といった課題もありました。

例えば、特定の専門分野の資料や、あなたが個人的に深く調べたいことは、一般的なAIではなかなかカバーしきれず、余計な情報に惑わされることも少なくありませんでしたよね。

またチャットに入力するデータには上限があり、特に日本語は情報量が多いことから、長文の入力はできませんでした。

NotebookLMが変える「情報収集の常識」

NotebookLMは、この課題を根本から解決します

NotebookLM最大の特長は、自分の手持ちのデータをAIに学習させられること。使ってみると、まず最初に資料の読み込みを促されます。ここに、自分持っている資料やメモ、URLも読み込みます。

これにより、難解な哲学書でも、複雑な用語が並ぶマニュアルでも、「専属アシスタント」として、その内容を理解し、チャット形式で対話しながら疑問を解決できるようになります。

NotebookLM は、元々は 2023年にリリースされました。最近Google Workspaceのコアサービスの一つとして提供が開始され、iOS、Androidのアプリが発表され気軽に自分のドキュメントを読み込めるようになりました。

NotebookLMの使い方

https://notebooklm.google.com/に自分のgoogleアカウントで入ると、「新規作成」のボタンがあり、ここから構築したいデッキを作るりかす。

入ると、データの参照が求められ、Googleドキュメントであればすぐに学習しますし、PDFでもアップロードすれば読み込みます。普通にOCRがかかったPDF書類であれば学習されます。

すすと、チャット入力画面が現れ、そこに質問を投げかけると、書籍の中から回答部分を見つけ出し、さらに読みやすい文体で変えしてきます。

アップロードしたデータが多言語でも、日本語と英語とフランス語が混ざっていても、日本語で質問すると日本語で返事が返ってくるので驚きです!

また、左側のウィンドウには音声解説を生成するウィンドウ(5分間のラジオショーのような男性女性の会話形式で書きだされる)や、マインドマップのようなツリー状の表も生成、学習用に文献から問題集も自動生成します。現状でも便利ですが、まだまだいろいろな機能が追加されそうです。

手持ちの資料を入れてみた

とりあえず自分が持っていた野口整体の本をアップロードしてみました。整体の創始者の野口晴哉の書籍は口語体で書かれており、体系的ではないため、情報を取り出すのに癖がありました。あと数年で著作権が切れるで、切れるのを待っていたのですが、このようにAIに入れてしまえば著作権は現状の法律ではグレーなので、さっそく手持ちの本のすべてアップロードしてみました。

AI野口整体チャット

多分公開になっているのでゲストも触れるはずなのですが、「足湯の入り方」「風邪の際の過ごし方」など質問すると返答が返ってきます。

NotebookLMの驚くべき活用例

実際に使ってみて感じた、NotebookLMの具体的な活用例をご紹介します。

1. 論文執筆が劇的に効率化!

論文を書く際、多くの文献はPDF化されていますよね。これらをNotebookLMにどんどん投入しましょう。参考文献となる書籍や、その本に対するレビューなども一緒に入れておけば、後から詳細な情報も検索可能です。

これだけでも、本の中に出てくる専門用語をAIが抽出してくれるので、チャットで対話しながら考察を深められます。そして何より素晴らしいのは、AIが「どの文献のどの部分から引用をとってきたか」を細かく探し出してくれる点です。

これまでの生成AIでは、参照元が分かりにくかったのが大きな課題でした。しかし、NotebookLMなら手持ちの資料であれば一発で探し出せるので、論文執筆においてこれほど心強いことはありません。

似た概念でも業界によって呼び方が違う場合の比較です。例えば、哲学のドゥルーズにおける「多様体」と数学における「リーマン多様体」のように、同じことを指しながらも細部が異なる概念があります。NotebookLMにそれぞれの資料を読み込ませれば、どの部分が共通していて、どの部分が異なるのか、比較検討が非常に容易になります。文系の人がドゥルーズの「多様体」を使う際は多くの場合間違っていますし、「リーマン多様体」は重要な理論で岡清などはリーマン多様体の上に成り立っている数学ですが、情報数理学では初歩になってしまうので、計算的意味に言及する人は少数です。このような状況では重要文献をNoteboookLMに丁寧によみこませれば、文系の概念と数学の概念を比較することが可能になります

2. 取扱説明書が「使える」情報源に!

楽器やコンピューターソフトのマニュアル、困った経験はありませんか? 独自の専門用語が多くて理解しづらかったり、複数の機材を接続する際に、それぞれのマニュアルを行ったり来たりする手間を感じたり…。

NotebookLMを使えば、この悩みが一気に解消します

例えば、Aという機材とBという機材を接続したい場合、両方のマニュアルをNotebookLMにぶち込んで「AとBを繋ぐにはどうしたらいいか?」と質問してみてください。すると、AIがかなり具体的に、複数の接続方法を提示してくれます。通常のチャットAIではここまでの厳密な回答は難しいですが、NotebookLMなら「どのボタンを長押しすべきか」といった詳細な指示まで得られます。

ビデオプロジェクターのように、メーカーによって機能の呼び方や投影距離など異なる製品の場合も非常に便利です。複数のプロジェクターの取扱説明書を読み込ませておけば、「どの機種ならどのサイズまで投影できるか」「どのプロジェクターがどの明るさに対応するか」といった比較検討も一瞬です。これまで手作業でスペックを書き出す手間がなくなるのは、会社などで多数の機材を管理している方にとっては、まさに夢のような機能ではないでしょうか。

3. コンテンツ制作の可能性を広げる!

先日、私は山口市庁舎に関わる歴史について調べ物をしました。ChatGTPやGeminiで色々と質問し、Wikipediaなどのページをコピーして一枚のドキュメントにまとめました。

これをNotebookLMに貼り付けたところ、すぐにその概要をラジオドラマの形式で音声として書き出すことができました。

さらに、そのドキュメント(集めた資料)をChatGTPで「宇宙人の陰謀論説だったら?」という具合に、ドラえもんの「もしもボックス」と同じ要領で、フェイクの資料を作成しました。そして、それもNotebookLMに導入したのです。

これは、NotebookLMが単なる情報検索ツールではなく、創造的なコンテンツ制作のアシスタントとしても非常に強力であることを示しています。

4. 自分のポートフォリオの編集

アーティストは試してみるべきです。助成金やオープンコールの書類を作成する際に、応募要項ごとに略歴、企画書、ポートフォリオを作成しています。これが、一度丁寧に書類を作っておけば、次からは、それらの応募要項を読み込んで、先方の趣旨に合わせた書類をNotobookLMに生成させればいいんです。

まとめ:NotebookLMであなたの「知」を最大化しよう

Google NotebookLMは、これまでの生成AIの枠を超え、あなたの手持ちのデータを学習し、パーソナライズされた情報収集とコンテンツ生成を可能にする革新的なツールです。

論文執筆、専門マニュアルの理解、そして新しいコンテンツの創造。NotebookLMは、「知」を最大化し、これまで手間がかかっていた作業を劇的に効率化してくれるでしょう。

ぜひ一度、あなたの手持ちの資料をNotebookLMに読み込ませて、その驚くべき能力を体験してみてください。

今回の記事が、皆さんの情報収集や執筆活動の一助となれば幸いです。

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