先日、京都芸術センターでのインストール時に、単焦点のプロジェクターを吊ったり、アクリル板を吊るにあたって様々な試行錯誤を行いました。会場ではワイヤーや単管を組み合わせて、目的の吊り点を作ったのですが、その経験から得られた、効果的な天井への吊り構造についての知見をまとめたいと思います。
一般的なテナントビルの天井構造
以前、山口でスタジオを運営していた際、ビルテナントの2階を改装した経験があります。一般的な鉄筋コンクリート造で、天井には軽量天井(軽天)のアンカーが打ち込まれていました。これは一般的なテナントやオフィスに多い工法です。これを利用することをお勧めします。
スタジオでは25mmのビニールハウス用の単管を使用し、吊りバンドもそれに合わせて25mmのものを選びました。ただし、これらはあまり重いものを吊ると若干たわむことがあり、折れることはないものの、アクリル板のような重いものを吊る場合には48.6mmの単管を使用した方が良いでしょう。
アンカーの特徴
アンカーは天井を支えるために一定間隔で打ち込まれており、エアコンを吊り上げにも使用するため強度があります。ただし、抜けることもあるので、ねじを指して思いっきり引っ張ってテストしてから使用ください。
- 通常3/8インチの寸切りを使用
- グリッド状に一定間隔で配置
- 施工の性質上、若干のずれや斜めの打ち込みは一般的
実践的な吊り下げ方法
基本的な設備
- 3/8インチ寸切り
- 配管用の「吊りバンド」
48.6mmはないので、50mmを使用、緩い場合はテープかアルミ板を挟む
吊りバンドが心配な場合
長穴付きアングルというのが電線屋で売っています。規格は7mm穴と11mm穴とあり、3/8インチねじですと11mmが良いでしょう。ただし近年値段が高くなったので、便利ですが単管より費用が掛かります。
メリット
- 低コストでバトン造作が可能
- グリッド状の設置が可能
- 斜め方向の設置にも対応で2段組みでの使用で、自由な位置に吊り点を救ることが可能
材料の調達
- 寸切りネジ:金物屋で入手可能
- 釣りバンド:配管専門店または通販を推奨
まとめ
この方法は、今回の仕込みでは提案段階に留まりましたが、同様の課題を抱えるインストーラーの方々の参考になれば幸いです。
注意点
- 重量物を吊る際は、必ず安全性を十分に確認してください(アンカーは引っ張って確認)
- 建物の構造や規定に従って作業を行ってください(吊りバンドには強度表示が無いので注意)