毎日のウォーキングをトレーニングに取り入れている人は多いですが、歩くことはただ前に進むためだけではありません。 習慣的な前方への動きは、前方への歩行中に通常使用されていない筋肉の弛緩につなっています。人間はすべての方向に自由があるはずです。もっと様々な方向に歩いけると日常的なパフォーマンスの良くなる以上に「前向き思考」から「自由な思考」に意識がアップデートされるかもしれません。
動物の特異な歩行
後ろ歩きの話を始めた途端脱線ですが、後ろに歩く動物はいるのでしょうか?思い当たるのは砂浜に生息するヤドカリなどの生き物くらいで、猫が後ろに歩いているところは見たことがありません。 猫は一度走り始めると方向転換や停止が難しと聞いたことがあります。交通事故にあう生き物はだいたいネコ科で、犬が道路で死んでいる所を見かけないのは、猫はびっくりすると走り出す習性があることと、走り出したら、方向転換や一時停止ができないことが原因のようです。 さらに話はそれますが、 ほとんどの動物の前脚は後ろに曲がりますが、馬、牛、ヤギなどの特定の種は前脚を前に曲げます。 人間の膝も前に曲がります。この解剖学的違いの背後にある理由はまだ不明なようですが。 ある仮説では、猫のような肉食動物は前方に飛び出すことで狩りをするが、とくに野生ヤギは山に住んでおり、崖を上ることを得意としていることから、上に飛び上が必要上、前脚を前に後脚を後ろ曲げることで羽根のようにジャンプしていることが考えられます。また、ジャンプからの着地時に前脚を前に曲げる方が、顔をぶつけずすみます。前脚を前に曲げる生き物に肉食動物はいないので、やはり、前脚を後ろに曲げた生物は狩の都合上、前方へのジャンプに優れ、肉食動物から逃れるために、草食動物を中心に前脚を前に曲げ、上へのジャンプを得意としているのではいでしょうか?では後ろ歩きができる哺乳動物はいるのでしょうか?乗馬は練習をすることで後退できるようになるようです。馬にはすくなからず後ろに歩くポテンシャルはありそうです。目が後ろにはないので、やはり、浜辺の生き物のように巣に隠れて身を守る生き物以外は後ろに歩くことを得意とした生き物はいないよう思われます。
後ろ歩きトレーニングの効果
だいぶ話はそれましたが、後ろ歩きエクササイズの効用とそのコツについて考えてみましょう。人間も馬と同じく、後退はできますが得意ではありません、ただ、周りに後ろに歩く人がいなかったので後ろに歩く習性が無いだけかもしれません。なぜなら、人間の股関節ほど自由に回旋する生き物はいないからです。ですから、後ろ向きに歩くことをトレーニングに組み込むことで、積極的に様々な方向に歩くことで歩く自由を獲得しましょう。
後ろ歩きの実践
後ろ歩きをダンスエクササイズに取り入れているカンパニーはCo.山田うんがありあります。私が知る限り、ストレッチなどのエクササイズをする前に15分間以上はの後ろ歩きから始めます。 実際に15分以上後ろ向きに歩き続けると、体の重心が無意識のうちに後ろに移動し、立止まると後ろに倒れていくような感覚を覚えます。また、背中側がグーッと気持ちの良い疲れを感じます。後ろに歩いている最中は普段使わない筋肉を使うことになり、また普段使っていた筋肉がすべてお休みしているともいえる運動状態です。この感覚は体に思い出させる意味でも効果があります。
後ろ歩きの留意点
後ろ向きに歩くことは優れた運動ですが、物や壁に衝突する危険性が高く、怪我を引き起こす可能性がありますので十分に注意が必要です。狭い部屋で後ろ歩きは危ないのでやめましょう。 屋内で十分に広いく、物がない場所を選びましょう。壁の位置を確認しながら歩けば、げきっつしませんし、衝突しても劇的な事故につながることは少ないでしょう。 屋外では広い場所が確保しやすいですが、ベンチなどの低い物が沢山あるため、十分な注意が必要です。木や電柱は大きいにもかかわらず死角になるため、ぶつかりやすいです。 したがって、後ろ向きに歩くときは、特定の戦略が役立つ場合があります。 直線的な後方ラインの代わりに、蛇行することで後方視認性が向上します。後方を確認するためには腰から過度にひねる必要がありますが、逆に不安定になり安全性が損なわれる可能性があります。歩行を安定したま確認するには首をわずかに曲げる程度であとは気配を感じるトレーニングとなりますが、これにも限界があります。そこで、蛇行することを進めます。蛇行する際に曲がる内側に首を向けて進む先を確認するのです。まっすぐ進むよりも、視界が開くことが分かるはずです。後方が心配なら、その分カーブを大きくすればいいのです。この技術により後ろ向きに歩くときにより包括的な視野が得られ、慎重な運動習慣が保証されます。
慣れてきたら、大股早歩き、軽く走ることをお勧めします。普段のパフォーマンスが格段に向上し、後ろ側への意識が向上するでしょう。
また蛇足ですが、男性よりも女性の方が後方への意識が高いという研究があります。パーソナルスペースの研究で探すと沢山サーチできます。実際に私も実験したことがありますが、女性の方が頭髪がおおく耳がふさがっているにもかかわらず、後方50cmくらいまで意識があるようです。そして男性はほとんど後方に意識が払われていない人が多いです。
まとめ
人間はどの向きにも歩きだせるポテンシャルを含んでいます。練習する場所に注意はいりますが、普段の使わない筋肉を鍛えるだけでなく、普段の自分の重心に対しても意識的になれるでしょう。また後方への意識のとレーニンだけっでなく、気配の取れニングにもなりますので、普段のエクササイズに取り入れることで、あらゆる方向に自由になりましょう。