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イメージと感覚をつなぐ脳のチャンネルの開発方法 : インプロビゼーションテクノロジーズの解説

ウィリアム・フォーサイスのベースになっているテクニックはインプロビゼーションテクノロジーズ(以下、IT)と呼ばれるフランクフルトバレエ時代開発されたテクニックがベースになっており、これは、フォーサイスがザ・フォーサイスカンパニーに移行した後も根幹にある概念です。ITはバレエの構造を解体し、それを拡張することでバレエのテクニックを深化させています。フォーサイス自身も指摘しているように、このプログラムはダンサーが事前に学ぶためのものであり、基礎を習得するための教材として機能しています。また、桜井圭介先生も『ダンシング・オールナイト』で触れており、ITは他のジャンルのダンサーにとっても有用で、ダンスを拡張するツールとして紹介されています。

しかしながら、この教材は単に模倣するだけでは意味をなさないのではないか、と私は考えています。自身が、(元)ザ・フォーサイスカンパニーのダンサーたちからエクササイズを学んできた経験から、具体的に「イメージと身体運動、感覚をつなぐ脳のチャンネル」をどのように発展させるか、その方法が詳細に紹介されていないと感じました。つまり、この教材を無批判に使用すると、見た目はフォーサイス風になるかもしれませんが、内側では何も得られないかもしれないという懸念があります。この問題に取り組むため、私は自らの体験に基づき、感覚的にイメージと身体を結びつける方法について解決策を模索し、それを紹介したいと考えています。

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ボディーランゲージの暗号:コミュニケーションの圧縮と解凍

前回は表現者の動きの圧縮にフォーマスして考察しました。その圧縮は多様なレベルで行われており、所作がパズルのようにつながって一つの運動を作り出しているもの。無意識に体の反応が所作に表れているもの。感情などの質が所作に折りたたまれているもの。といった内容でした。今回は、この圧縮された動きを見た人がその内容をどのように読み取るか、つまり、動きの解凍についての考察です。

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動きの圧縮が与える影響 : ダンスが下手な人の特徴とは?

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この記事はダンスにおける「動きの圧縮」を探求し、「動きの圧縮」のアイデアがどのように発展してきたか、そしてダンス表現におけるその影響について解説します。プロのダンサーと下手なダンサーの動きの比較や、独自のパフォーマンスでの「動きの圧縮」の利用、そしてコミュニケーションにおける動きのニュアンスの重要性に触れながら、ダンス表現の多様性や可能性を探求します。

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